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2019.11.28

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ロコモティブシンドロームって?

ロコモティブシンドロームって
整形外科部長 高橋総一郎

整形外科部長 高橋総一郎

みなさん、ロコモティブシンドローム(=以下ロコモ)をご存知ですか。ロコモとは「運動器の障害」により「要介護になる」リスクの高い状態になることです。

いまや、「ロコモ」は「メタボ」や「認知症」と並び健康寿命の短縮、ねたきりや要介護状態の3大要因となっています。しかし、要介護状態になることは誰でもできるだけ避けたいものです。

ではどうして、ロコモな状態になるのでしょう。

 ヒトは加齢に伴い「筋力の低下」や「バランス能力の低下」がおこり、さらに運動不足となることで「運動機能低下」が起こり、容易に転倒しやすくなります。さらに筋力低下だけでなく、持久力低下、反応時間延長、運動速度の低下などの運動器機能不全も引き起こします。運動器とは身体運動にかかわる骨、筋肉、関節、神経などの総称ですが、運動器の障害の原因には「運動器の疾患」もあり、骨粗鬆症、変形性関節症、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症などがその代表です。

 超高齢社会の到来とともに、ロコモな状態になっている方が増えています。骨粗鬆症に伴う骨折の増加もその一例です。屋内の些細な事での転倒による骨折、これには加齢に伴うバランス機能の低下なども関与していると考えられます。現在骨粗鬆症の方は全国で1,280万人に達するといわれていますが、正しく診断され適切に治療を受けている方は約20%に過ぎず、多くの方が気づかないまま未治療で過ごしているともいわれています。また、最近では骨粗鬆症による骨折を起こした方が、未治療のままでいるため再骨折を起こしてしまうことを『骨折の連鎖』と言っています。

 当院では、このロコモに対し日常診療の中で骨粗鬆症やロコモティブシンドロームの検査・治療を積極的に行っています。

 それでも万が一骨折した場合には、内科、循環器科、麻酔科医師など各科専門医師と連携した全身管理のもとで、細心の注意で治療、手術を行います。そして、なるべく早い時期にご自宅に退院できるよう、365日リハビリを行っています。

 また、加齢に伴う疾患だけではなく、青壮年者にも見られる膝、股関節、腰、首の痛みなど運動器の疾患に対しても適切な診断と治療を行っております。「健康寿命の延伸」、「生活機能低下の防止」には、予防、早期発見・早期治療が重要ですので、是非一度、当院整形外科への受診をおススメします。