現在、わが国では外科医不足が喫緊の課題となっている一方で、外科医の適性配置と質についても問われています。しかし、どのような施設でどのような医療が行われているのか、わが国全体での把握がなされておりません。現状を把握することによって、" 外科専門医のあり方" を根拠に基づいて検討し、社会に示していくことが重要であり、それにより最善の医療を提供することができます。
そこでわが国では日本外科学会を基盤として、日本消化器外科学会、日本心臓血管外科学会、日本呼吸器外科学会などの多くの各臨床学会が協働し、一般社団法人National Clinical Database (NCD) を立ち上げ、日本全国の外科系施設における外科症例の全数把握を目的としたデータベース事業を開始することとなりました。
私どもの三宿病院でも、NCD の趣旨に賛同し、三宿病院倫理審査委員会の承認を受けこの事業に参加をいたしておりますので、何卒趣旨をご理解の上、ご協力賜りますようよろしくお願い申し上げます。
1. 登録の対象となる患者様
三宿病院の外科および心臓血管外科において手術が施行されたすべての患者様が登録の対象となります。ただし、本事業への参加は、患者様の自由な意思に基づくものであり、データ登録を拒否できる権利を有します。なお、登録を拒否されたことで、日常の診療等において患者様が不利益を被ることは一切ありません。
2. 登録される情報の内容
登録される情報は日常の診療で行われている検査や治療の契機となった診断、手術等の各種治療やその方法等です。具体的には「性別」「入院日」「手術日」「術式」等の基本項目および疾患・術式に応じて個別に定められた20~200項目程度の評価項目が登録の対象となります。患者様の「氏名」「住所」「電話番号」等の個人を特定可能な情報が登録されることはありません。情報の取り扱いや安全管理にあたっては、関連する法令や取り決め(「個人情報保護法」、「疫学研究の倫理指針」、「臨床研究の倫理指針」、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等)を厳守しています。
3. 登録情報の閲覧・修正・削除について
登録されたご自身のデータをご覧になりたい場合は、受診された診療科の担当医にお問い合わせください。この場合、当該診療科データ担当責任者がご本人のデータを印刷して提示いたします。登録された内容に関して、修正及び削除を希望される場合には、医学的妥当性について担当医師の了承を得た上で、データ担当責任者が修正・削除を実施いたします(ただし、一定期間が過ぎたデータは変更・削除不能の場合があります)
4. 登録される情報の使われ方
登録される情報は、参加施設に治療成績向上並びに皆様の健康向上に役立てるために、参加施設並びに各種臨床領域にフィードバックされます。この際に用いられる情報は集計・分析後のデータのみですので、患者様個人を特定可能な形で、NCD がデータを公表することは一切ありません。情報の公開にあたっても、NCD 内の委員会で十分討論し、そこで承認を受けた情報のみが公開の対象となります。
お問い合わせについては受診された診療科またはNCD 事務局までご連絡ください。
National Clinical Database 事務局
http://www.ncd.or.jp/