化学療法室

診療内容

化学療法室

 化学療法室は当院外来棟2階に位置し、リクライニングチェア2台とベッド3台の計5床を有し、がん治療(抗がん剤、分子標的薬、ホルモン注射など)だけでなく、自己免疫疾患に対する生物学的製剤や輸血療法等の方も通院治療が可能であり、外来専用の治療室として共同運用を行っています。専門スタッフ等による治療中の副反応への対応など、安全性に対する配慮を十分行うとともに、快適な治療を受けていただけるよう、各ベッドとチェアには、テレビ、DVDを備え、快適な治療環境となるよう配慮しています。
・ 治療は予約制
・ 利用時間 : 平日 9:00 ― 16:00
利用状況 : 以下の表は診療科別の使用状況になります。
診療科別使用状況

当院におけるがん診療と実績

● がん登録
 「がん登録」は、がんの診断、治療、経過などに関する情報を集め、保管、整理、解析する仕組みのことです。毎年どのくらいの人ががんで亡くなっているか(死亡数)、毎年どのくらいの数のがんが新たに診断されているか(罹患数)、がんと診断された人がその後どのくらいの割合で生存しているか(生存率)、といったがんの統計情報は、国や地域のがん対策を立案したり評価したりするのにとても重要です。
● 院内がん登録
 当院もこれに参加しており、院内でがん診療を提供してきた患者さんについて登録を行っています。がん診療の向上と患者さんとその家族一般への支援、情報提供ならびに国のがん対策立案のための情報提供を目的として、初発のがんに関する情報を収集し、がん患者さんの受診状況や診療実態の把握を行っています。下記表は当院でこれまで5年間、診断ならびに診療(手術、化学療法、放射線治療など)を行ってきた症例が対象となります。
● 部位別登録件数
部位別登録件数

がん診療におけるセカンドオピニオンについて

 セカンドオピニオンとは、患者さんが納得のいく治療法を選択することができるように、治療の進行状況、次の段階の治療選択などについて、現在診療を受けている担当医とは別に、違う医療機関の医師に「第2の意見」を求めることです。
● 対象となる方
1) がん(悪性腫瘍)と診断あるいは疑われている患者さん
2) 患者さんの来院が困難な場合、患者さんのご家族(原則2親等まで)が対象となります。あるいは同伴でも構いません。
3) やむを得ぬ事情で、上記以外の親族の場合は、ご本人の同意が必要となります。
4) 患者さんが未成年者の場合は、続柄が確認できる書類(健康保険証等)が必要になります。

・ セカンドオピニオンの流れ
● 他の医療機関へセカンドオピニオンを求める場合
1) 担当医にセカンドオピニオン希望であることを申し出る。(患者さん自身の申し出が困難な場合は患者さんのご家族(原則2親等まで)が申し出てください)
2) 自分の相談したい(セカンドオピニオンを受ける)医療機関を明確にして下さい。
3) 患者さん自身(又はそのご家族)でセカンドオピニオンの予約を取って頂きます。
4) 先方の申込手順に従って(後日、当院の資料を持参して、指定された日時に)目的となる医療機関を受診して下さい。
*1 セカンドオピニオン用の紹介状は医事課文書係窓口でお申し込みください。
(平日8:30~16:30)
*2 セカンドオピニオン申込にあたり三宿病院からの連携が必要な場合は、その旨医療連携室へお申し出ください。
*3 手続きについてご不明な点がございましたら看護師又はソーシャルワーカーへご相談ください。
● 他の医療機関から当院にセカンドオピニオンを申し込む場合
(現在準備中。運営開始日については今年度中を予定しています。)

がん診療に関する相談支援について

 化学療法室においては、がんと診断された患者さんやご家族が、治療と日々の生活を両立させて自分らしい療養生活が送れるように、不安や困ったことがあれば、担当医をはじめ、がん専門または化学療法室に勤務する看護師やソーシャルワーカーなど専門職に繋ぎ、支援しております。
対象      当院に通院中の患者さんとそのご家族
相談時間    平日 9:00~16:00
相談方法    対面または電話相談
        (対面相談は、事前に電話による予約をお願いいたします。)
場所      外来棟 2階: 化学療法室別室 他診察室など
相談内容
* がんに関する一般的な情報提供
* がん療養上の相談
* 副作用とどのようにつきあってよいかわからない
* 医師の説明が分からない(又は直接聞きづらい内容など)
* 医療制度について
* セカンドオピニオンについて
* 他院への紹介・連携について
* 誰かにつらい気持ちを聞いてほしい
* その他

 ソーシャルワーカーは医療チームの一員として、医師、看護師などの院内の医療従事者との連携はもとより、必要に応じて患者さんやご家族が生活していく上で不可欠な地域の関係機関とも連携をとっています。相談は無料です。患者さんの個人情報につきましては当院「個人情報の保護に関する院内規則」に基づき適切に対応いたします。相談内容についての秘密は厳守いたします。どんなに小さなことでも、親切・丁寧に対応いたします。どうぞお気軽にご相談ください。

がん診療における連携と取り組みについて

 当院ではがん診療における取り組みとして、がん診療の知識及びその技能を有する医師とその他専門を有する医師やスタッフ等が参集し、適切な医療を提供するための委員会や検討会、定期的な合同カンファレンスを行っています。

● 他施設との連携
* 病理診断
 病理診断につきましては、当院で採取した組織検体は隣接する自衛隊中央病院にて取り扱われ、同院にて診断診療が行われます。がん診療に携わる診療科とは常に連絡、或いはカンファランスを重ね、治療方針を決定してまいります。
* 放射線治療
 当院には放射線照射装置はなく、隣接する自衛隊中央病院にて行っています。入院で行う場合は当院から自衛隊中央病院までの送迎を行っています。また外来では、医療連携室を介して、自衛隊中央病院を紹介受診して頂き、その後は直接同院まで受診して頂き、通院にて治療を行っています。
* その他
 手術に際して、隣接する自衛隊中央病院に依頼することがあります。
 また血液内科が主となりますが、化学療法や放射線治療に関して虎の門病院本院又は分院と連携しており、患者さんの状況に応じた治療のため迅速に紹介転院できるよう連絡を取り合っています。

● カンファレンス
* 病理診断カンファレンス(月2回)
 外科、内科、初期・後期研修医、自衛隊中央病院・病理診断科の医師等が積極的に参加して、週2回の手術症例を中心にカンファランスを行っています。
* 内科合同カンファレンス(月1回)
 内科系の初期・後期研修医と診療科医師スタッフ等の殆どが参加(一般救急、腫瘍症例等を対象)して、カンファランスやレクチャーを行っています。

● 委員会 / 検討会
* 化学療法委員会(月1回)
 患者さんに安全でかつ質の高い化学療法を提供できる取り組みとして、化学療法に携わる医師、看護師、薬剤師、臨床検査科、医療事務、栄養科、医療安全管理責任者等が参集した委員会を毎月行っています。化学療法室利用状況、化学療法レジメンの変更・修正や新規レジメンの承認、治療における有害事象、運営に係わる取り決めなどについて討議します。
* 緩和ケア事例検討会(不定期)
 がん患者さんの種々のがん又は治療に伴う症状について、事例を挙げて多方面からの意見を交えて話し合う検討会です。具体的に薬物治療も含めた対応または解決策について、検討します。